太田胃散

生薬の知識

生薬とは、自然の植物、動物、鉱物を利用した薬のことです。
生薬の基となる自然資源を基原植物(動物)と呼び、ミカンやカキ(牡蠣)などの身近な動植物も生薬として多く利用されています。
生薬として使用できる部位(薬用部位)は定められており、植物を基源とする生薬では根や樹皮、果実、種子など、動物を基源とする生薬では分泌物、貝殻などが使われています。
基原植物(動物)を乾燥したり、刻んだり、簡単な加工をして生薬として用いられます。

生薬一覧(50音順)

アカメガシワ 赤芽柏 MALLOTI CORTEX
基原植物 ・アカメガシワ Mallotus japonicus Mueller
    Argoviensis

・トウダイグサ科
・本州、四国、九州をはじめ北海道を除く日本
   全国各地の山野に野生する落葉高木
薬用部位 樹皮
主な産地 日本、朝鮮半島、台湾、中国南部
主な成分 ベルゲニン (bergenin)
効      能 胃腸の働きを正常にし、便通の乱れを改善します。また、含有成分のベルゲニンはストレスによる潰瘍の治療効果が知られています。
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  • 太田胃散整腸薬
ウイキョウ 茴香 FOENICULI FRUCTUS
基原植物 ・ウイキョウ Foeniculum vulgare Miller
・セリ科 
・ヨーロッパ原産の多年生草本
薬用部位 果実
主な産地 主に中国、日本では長野県、鳥取県など
主な成分 アネトール (anethole)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、ガスの排出を促進する作用があります。他に痰を切る作用としても用いることがあります。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散A<錠剤>
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • 太田胃散NEXT
エンゴサク 延胡索 CORYDALIS TUBER
基原植物 ・チョウセンエンゴサク Corydalis
   turtschaninovii
 Besser forma yanhusuo
   Y.H.Chou et C.C.Hsu
・ケシ科
・中国東部に自生する多年生草本
薬用部位 塊茎
主な産地 中国(浙江省、湖北省、湖南省など)
主な成分 プロトピン (protopine)
効      能 鎮痛鎮痙作用があります。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
オウギ 黄耆 ASTRAGALI RADIX
基原植物 ・キバナオウギ Astragalus membranaceus Bunge
・マメ科
・中国東北部や内モンゴルに自生や栽培
   されている多年生草本
薬用部位
主な産地 中国、北朝鮮、韓国
主な成分 ホルモノネチン (formononetin)
効      能 強壮・強心作用に加え、利尿作用や血圧降下作用があります。
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  • ロコフィットGL
カンゾウ 甘草 GLYCYRRHIZAE RADIX
基原植物 ・ウラル甘草 Glycyrrhiza uralensis Fischer
   又は スペイン甘草 Glycyrrhiza glabra Linné
・マメ科
・淡い紫色の花を咲かせる多年生草本
薬用部位 主に根およびストロン
主な産地 モンゴル、中国東北、中国西部など
主な成分 グリチルリチン (glycyrrhizin)
効      能 鎮痛、鎮痙作用や、咳を止め、痰を切る作用があります。矯味剤として用いることもあります。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • ロコフィットGL
ケイヒ 桂皮 CINNAMOMI CORTEX
基原植物 ・ニッケイ Cinnamomum cassia Blume
・クスノキ科
・中国南部からベトナムに自生または栽培
   される、高さ約12メートルに達する常緑高木
薬用部位 樹皮又は周皮の一部を除いたもの
主な産地 中国広東、広西省、ベトナム、インド南部、ジャワ島
主な成分 ケイヒアルデヒド (cinnamaldehyde)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、食欲不振、消化不良を改善します。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散A<錠剤>
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • 太田胃散NEXT
  • 太田胃散NEXT錠
ゲンチアナ GENTIANAE RADIX
基原植物 ・ゲンチアナ Gentiana lutea Linné
・リンドウ科
・欧州中南部の山岳地帯に自生する多年草
薬用部位 根及び根茎
主な産地 スペイン、フランス、トルコなど
主な成分 ゲンチオピクロシド (gentiopicroside)
効      能 苦味成分が胃の働きを正常にし食欲不振、消化不良等を改善します。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散整腸薬
ゲンノショウコ 現証拠 GERANII HERBA
基原植物 ・ゲンノショウコ Geranium thunbergii
   Siebold et Zuccarini
・フウロソウ科
・国内に広く野生する多年生草本で、
   赤花と白花がある。
薬用部位 地上部
主な産地 日本、中国、朝鮮半島など
主な成分 ゲラニイン (geraniin)
効      能 下痢をはじめ、胃痛、腹痛、便秘に効果を示し、乱れた腸の動きを整えます。
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  • 太田胃散整腸薬
コウボク 厚朴 MAGNOLIAE CORTEX
基原植物 ・ホウノキ Magnolia obovata Thunberg
   又はMagnolia officinalis Rehder.et Wilson
   又はMagnolia officinalis Rehder et Wilson
   var. biloba Rehder et Wilson
・モクレン科
・山林、平地林に自生しているか栽培されている
薬用部位 樹皮
主な産地 日本、中国
主な成分 マグノロール (magnolol)
効      能 消化不良による胃内停滞、嘔吐、腹部膨満、神経性胃腸炎、腹痛、暑気あたりなどに効果を示します。
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  • 太田胃散<内服液>
シュクシャ 縮砂 AMOMI SEMEN
基原植物 ・シュクシャ Amomum xanthioides Wallich
・ショウガ科
・熱帯アジアに自生する多年生草本
薬用部位 種子の団塊
主な産地 ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアなど
主な成分 ボルネオール (borneol)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、消化不良、消化性下痢、腹痛、嘔気、神経性下痢等に用います。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
ショウキョウ 生姜 ZINGIBERIS RHIZOMA
基原植物 ・ショウガ Zingiber officinale Roscoe
・ショウガ科
・インド原産の宿根草で世界各地で栽培される。
   草高1mに達し、葉は披針形。夏秋のころ、
   穂状花序に黄緑色の小花を開く。
薬用部位 根茎
主な産地 熱帯アジア、インド、中国
主な成分 ジンゲロール (gingerol)
効      能 含有される精油成分には反射的に胃液分泌を増加させたり、胃腸の蠕動を強めてガスを排泄される効果が知られています。また胃腸機能を調整して嘔吐を止める作用もあります。そのほかに解熱作用、抗痙攣作用、鎮咳作用、鎮痙作用、抗炎症作用、強心作用が認められています。
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  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • ロコフィットGL
ソウジュツ 蒼朮 ATRACTYLODIS LANCEAE RHIZOMA
基原植物 ・ホソバオケラ Atractylodes lancea De
   Candolle又はシナオケラAtractylodes
   chinensis
Koidzumi
・キク科
・山野、雑木林などに自生する多年草
薬用部位 根茎、地下茎
主な産地 日本、中国、朝鮮
主な成分 アトラクチロジン (atractylodin)
効      能 芳香性健胃薬として胃アトニ-・慢性胃腸病・消化不良・腹痛。下痢止めなどに利用されます。また、含有成分のアトラクチロンが嗅覚を刺激し反射的に胃液の分泌を盛んにします。漢方では、水分代謝異常を改善するのに用いられます。
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  • 太田胃散<内服液>
  • ロコフィットGL
タイソウ 大棗 ZIZYPHI FRUCTUS
基原植物 ・ナツメ Ziziphus jujuba Miller var. inermis Rehder
・クロウメモドキ科
・初夏に淡黄色の小さい花を付ける落葉高木
薬用部位 果実
主な産地 中国、日本、朝鮮半島
主な成分 ジジフスサポニン (zizyphus saponin)
効      能 関節炎や腰痛の改善を目的に多数の漢方薬に配合されています。
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  • ロコフィットGL
チョウジ 丁子 CARYOPHYLLI FLOS
基原植物 ・チョウジ Syzygium aromaticum Merrill et Perry
・フトモモ科
・モルッカ諸島原産の常緑小高木
薬用部位 つぼみ
主な産地 マダガスカル、タンザニアなど
主な成分 オイゲノール (eugenol)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、ガスの排出を促進する作用があります。他に殺菌防腐作用や歯科で虫歯の局所麻酔、鎮痛鎮痙作用としても用いることがあります。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • 太田胃散NEXT
  • 太田胃散NEXT錠
チンピ 陳皮 AURANTII NOBILIS PERICARPIUM
基原植物 ・ウンシュウミカン Citrus unshiu Markovich
   又は Citrus reticulata Blanco
・ミカン科
・暖地に広く栽培されている常緑の低木
   又は小高木。
薬用部位 成熟した果皮
主な産地 日本(山口、愛媛、静岡、和歌山など)。
中国(広州、温州)
主な成分 ヘスペリジン (hesperidin)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを整え、胃もたれ、食欲不振を改善します。他に咳を止め、痰を切る作用もあります。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • 太田胃散NEXT
  • 太田胃散NEXT錠
  • 太田胃散整腸薬 デ・ルモア錠
ニガキ 苦木 PICRASMAE LIGNUM
基原植物 ・ニガキ Picrasma quassioides Bennet
・ニガキ科
・日本全国に広く自生する高さ8~15メートルの
   雌雄異株の落葉性の小高木
薬用部位 木部
主な産地 アジアの温暖地帯(日本も含む)
主な成分 ニガキノン (nigakinone),クアッシン (quassin)
効      能 苦味成分が胃の働きを正常にし、胃炎、消化不良を改善します。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
ニクズク 肉豆蔲 MYRISTICAE SEMEN
基原植物 ・ニクズク(ナツメグ)
   Myristica fragrans Houttuyn
・ニクズク科
・モルッカ諸島原産の雌雄異株の常緑高木
薬用部位 子仁(種皮を除いた種子)
主な産地 主にインドネシアのモルッカ諸島など
主な成分 ミリスチシン (myristicin)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、食欲不振、腹部膨満感を解消します。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散NEXT
  • 太田胃散NEXT錠
ハッカ 薄荷 MENTHAE HERBA
基原植物 ・ハッカ(ペパーミント) Mentha arvensis
   Linné var. piperascens Malinvaud
・シソ科
・中国東北部や内モンゴルに自生や栽培
   されている多年生草本
薬用部位 全草
主な産地 ブラジル、中国、日本(北海道、岡山、広島)
主な成分 メントール (menthol)
効      能 特異な芳香により胃腸の機能を高めるほか、リラックス効果や、殺菌・消毒作用があります。
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  • 太田胃散
  • 太田胃散<分包>
  • 太田胃散A<錠剤>
  • 太田胃散<内服液>
  • 太田胃散<内服液>S
  • 太田胃散整腸薬
  • 太田胃散チュアブルNEO
  • 太田胃散NEXT
ブクリョウ 茯苓 PORIA
基原植物 ・マツホド Wolfiporia cocos Ryvarden et
   Gilbertson(Poria cocos Wolf)
・サルノコシカケ科
・中国南部に野生する、マツ科の3~5年経過
   した切株の地下15~30cmの根に付着して形成
   される菌類
薬用部位 菌核の外層を除いたもの
主な産地 中国、日本など
主な成分 エブリコ酸 (eburicoic acid)
効      能 気持ちを落ち着かせる作用があります。他に利尿作用、鎮痛作用があります。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
ボウイ 防已 SINOMENI CAULIS ET RHIZOMA
基原植物 ・オオツヅラフジ Sinomenium acutum Rehder et Wilson
・ツヅラフジ科
・林に自生する蔓性の落葉樹
薬用部位
主な産地 日本
主な成分 シノメニン (sinomenine)
効      能 鎮痛、抗炎症効果があり、漢方では下半身の浮腫に対する利水、関節痛、リウマチに対する鎮痛などを目的として使われます。
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  • ロコフィットGL
ホップ LUPULI STROBILUS
基原植物 ・ホップ Humulus lupulus Linné
・クワ科
・多年生のつる性草本で、茎の生長は早く、
   高さ8mにおよぶ。山地の低木林、又は林際に
   生える。
薬用部位 未熟の緑色の果穂
主な産地 アジア、西ヨーロッパ、日本(北海道、岩手、山形、福島、長野、山梨)
主な成分 フムロン (humulone)
効    能 消化促進作用や、疲労緩和、鎮静・利尿作用があります。
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  • 太田胃散<内服液>S
ボレイ 牡蛎 OSTREAE TESTA
基原植物 ・マガキ Ostrea gigas Thunberg
・イタボガキ科
・食用として広く養殖されている貝
薬用部位 貝殻
主な産地 日本沿岸など
主な成分 炭酸カルシウム (calcium carbonate)
効      能 制酸作用があります。他に、胸郭部の動悸、精神不安、不眠、寝汗などに応用します。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
モッコウ 木香 SAUSSUREAE RADIX
基原植物 ・モッコウ Saussurea lappa Clarke
・キク科
・茎の高さは2mに達する。茎頂に暗紫色、
   アザミ様の花をつける。高山あるいは気候が
   涼しくさわやかな平地や丘陵地に生える
   多年草。
薬用部位 根又は根茎
主な産地 インドカシミール地方、ミャンマー、中国雲南省
主な成分 アプロタキセン (aplotaxene)
効      能 芳香性健胃薬として嘔吐、下痢など胃腸炎に効果があります。また、他に抗菌作用なども認められています。
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  • 太田胃散<内服液>
リョウキョウ 良姜 ALPINIAE OFFICINARI RHIZOMA
基原植物 ・リョウキョウ Alpinia officinarum Hance
・ショウガ科
・中国南部に野生する多年生草本
薬用部位 根茎
主な産地 南中国、タイ、インド
主な成分 シネオール (cineole)
効      能 芳香性の成分が胃の働きを正常にします。
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  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ
  • 太田漢方胃腸薬Ⅱ<錠剤>
ケツメイシ 決明子 CASSIAE SEMEN
基原植物 ・エビスグサ Cassia obtusifolia L.
・マメ科
・北アメリカ原産のマメ科の一年草
薬用部位 種子
主な産地 中国、朝鮮、東南アジア、日本
主な成分 オブツシフォリン (obtusifolin)
効      能 腸内細菌のはたらきで成分が活性化し、緩下作用を示します。
こちらの製品で使用しています
  • 太田胃散整腸薬 デ・ルモア錠
  • 基原植物のエビスグサの種子から作った茶は、健康茶の「ハブ茶」として親しまれています。もともとはハブソウを使用したため「ハブ茶」と呼んでいましたが、栽培しやすいエビスグサが代用されるようになり、いまでは名前だけが残っています。