基原植物 | ・アカメガシワ Mallotus japonicus Mueller Argoviensis ・トウダイグサ科 ・本州、四国、九州をはじめ北海道を除く日本 全国各地の山野に野生する落葉高木 |
薬用部位 | 樹皮 |
主な産地 | 日本、朝鮮半島、台湾、中国南部 |
主な成分 | ベルゲニン (bergenin) |
効 能 | 胃腸の働きを正常にし、便通の乱れを改善します。また、含有成分のベルゲニンはストレスによる潰瘍の治療効果が知られています。 |
新芽が赤く(=赤芽)、柏(かしわ)のように大きな葉をもつことから、アカメガシワ(「赤芽柏」)という名前が付けられました。アカメガシワとアリは共生関係にあり、アカメガシワの葉を食べる他の昆虫をアリが駆除する代わりに、アカメガシワの蜜を吸うアリの姿がしばしばみられます。
基原植物 | ・ウイキョウ Foeniculum vulgare Miller ・セリ科 ・ヨーロッパ原産の多年生草本 |
薬用部位 | 果実 |
主な産地 | 主に中国、日本では長野県、鳥取県など |
主な成分 | アネトール (anethole) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、ガスの排出を促進する作用があります。他に痰を切る作用としても用いることがあります。 |
ウイキョウ(別名フェンネル)の名は、魚などの生臭さを取り除き「香りを回復させる」(=「茴香」)作用を持っていることに由来しています。細い羽根状の葉は魚料理の匂い消しやピクルスなどの香りづけに、種子はソーセージやパンなどの風味づけに使われます。また、口臭を消す効用があることから、食後に口に入れ噛む習慣のある国もあります。
基原植物 | ・チョウセンエンゴサク Corydalis turtschaninovii Besser forma yanhusuo Y.H.Chou et C.C.Hsu ・ケシ科 ・中国東部に自生する多年生草本 |
薬用部位 | 塊茎 |
主な産地 | 中国(浙江省、湖北省、湖南省など) |
主な成分 | プロトピン (protopine) |
効 能 | 鎮痛鎮痙作用があります。 |
エンゴサクは早春に芽が出て、5~6月の晩春には地上部が枯れてなくなってしまいます。この春に儚(はかな)く消えてしまう様子から「スプリング・エフェメラル(=春の短い命)」という名でも呼ばれます。エフェメラとは寿命が短いことで知られる虫のカゲロウの英名で、ギリシャ語で「1日しか存在しない」という意味です。
基原植物 | ・キバナオウギ Astragalus membranaceus Bunge ・マメ科 ・中国東北部や内モンゴルに自生や栽培 されている多年生草本 |
薬用部位 | 根 |
主な産地 | 中国、北朝鮮、韓国 |
主な成分 | ホルモノネチン (formononetin) |
効 能 | 強壮・強心作用に加え、利尿作用や血圧降下作用があります。 |
キバナオウギの薬用部位である長く伸びた黄色い根が老人のヒゲのように見えることから、「黄」+年寄りを意味する「耆」でオウギ(「黄耆」)という名前が付いたと言われています。オウギはニンジンと並ぶ強壮作用を有する生薬で、伝統中国医学では免疫力を維持・増強する目的で使われます。栄養ドリンクにも配合されることの多い生薬です。
基原植物 | ・ウラル甘草 Glycyrrhiza uralensis Fischer 又は スペイン甘草 Glycyrrhiza glabra Linné ・マメ科 ・淡い紫色の花を咲かせる多年生草本 |
薬用部位 | 主に根およびストロン |
主な産地 | モンゴル、中国東北、中国西部など |
主な成分 | グリチルリチン (glycyrrhizin) |
効 能 | 鎮痛、鎮痙作用や、咳を止め、痰を切る作用があります。矯味剤として用いることもあります。 |
世界中で広く使用されているハーブです。人類が手にした生薬で最も古い歴史があるといわれ、紀元前5世紀ごろの医学書物にも記載が確認されています。名前のとおり、根が甘い草であり、西洋諸国では「リコリス菓子」としても親しまれています。
基原植物 | ・ニッケイ Cinnamomum cassia Blume ・クスノキ科 ・中国南部からベトナムに自生または栽培 される、高さ約12メートルに達する常緑高木 |
薬用部位 | 樹皮又は周皮の一部を除いたもの |
主な産地 | 中国広東、広西省、ベトナム、インド南部、ジャワ島 |
主な成分 | ケイヒアルデヒド (cinnamaldehyde) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、食欲不振、消化不良を改善します。 |
シナモンとして、お菓子や肉料理など広く使用され、その香りの高さからスパイスの王様と言われています。日本でも、「ニッキ」として昔から親しまれており、京都の八つ橋の香りとしても有名です。古くから世界各地で香辛料や薬として用いられ、古代エジプトではミイラの防腐剤として使われたり、聖なる香りとして神聖な儀礼でも使われていたようです。
基原植物 | ・ゲンチアナ Gentiana lutea Linné ・リンドウ科 ・欧州中南部の山岳地帯に自生する多年草 |
薬用部位 | 根及び根茎 |
主な産地 | スペイン、フランス、トルコなど |
主な成分 | ゲンチオピクロシド (gentiopicroside) |
効 能 | 苦味成分が胃の働きを正常にし食欲不振、消化不良等を改善します。 |
ゲンチアナという名はイリュリア王国のゲンティウス王の名前が由来とされています。ゲンティウス王はイリュリア王国でペストが流行ったときに薬草を求めて自ら山に入り、ゲンチアナを発見しました。独特な風味が特徴で、「スーズ」というリキュールの特徴的な苦味のもとになっています。スーズはピカソやダリが愛したことでも有名なリキュールです。
基原植物 | ・ゲンノショウコ Geranium thunbergii Siebold et Zuccarini ・フウロソウ科 ・国内に広く野生する多年生草本で、 赤花と白花がある。 |
薬用部位 | 地上部 |
主な産地 | 日本、中国、朝鮮半島など |
主な成分 | ゲラニイン (geraniin) |
効 能 | 下痢をはじめ、胃痛、腹痛、便秘に効果を示し、乱れた腸の動きを整えます。 |
ゲンノショウコ(「現(験)の証拠」)という名前は、服用するとすぐに効果(験)が現れることに由来し、下痢止めとしての効き目の確かさを表わしています。平安時代には効き目の速さから、タチマチクサ(「忽ち草」)とも呼ばれていました。さらにミコシグサ(神輿草)という別名もあり、これは果実が熟して種が外に飛び出し、傘状に開いたさやの形が神輿に似ていることに由来します。
基原植物 | ・ホウノキ Magnolia obovata Thunberg 又はMagnolia officinalis Rehder.et Wilson 又はMagnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson ・モクレン科 ・山林、平地林に自生しているか栽培されている |
薬用部位 | 樹皮 |
主な産地 | 日本、中国 |
主な成分 | マグノロール (magnolol) |
効 能 | 消化不良による胃内停滞、嘔吐、腹部膨満、神経性胃腸炎、腹痛、暑気あたりなどに効果を示します。 |
コウボク(「厚朴」)の「朴」は木の皮という意味で、コウボクという名は厚い木の皮をもつ「ホオノキ」を指しています。ホオノキの葉(朴葉)は料理を包んだり、食べ物を盛る器として利用されており、柏餅や朴葉味噌などがその代表です。朴葉には抗菌作用をもつネオリグナンが含まれており、食中毒防止にも一役買っています。
基原植物 | ・シュクシャ Amomum xanthioides Wallich ・ショウガ科 ・熱帯アジアに自生する多年生草本 |
薬用部位 | 種子の団塊 |
主な産地 | ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアなど |
主な成分 | ボルネオール (borneol) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、消化不良、消化性下痢、腹痛、嘔気、神経性下痢等に用います。 |
基原植物のアモムム・キサンティオイデスの名はギリシャ語で「欠点のない」を意味する「アモーモス」が由来といわれています。それは、この植物が解毒作用(=不純なものを除く)を持つことや、万能な薬であるということを表しています。甘い香りと美しい花をもち、観賞用としても人気の高い植物です。
基原植物 | ・ショウガ Zingiber officinale Roscoe ・ショウガ科 ・インド原産の宿根草で世界各地で栽培される。 草高1mに達し、葉は披針形。夏秋のころ、 穂状花序に黄緑色の小花を開く。 |
薬用部位 | 根茎 |
主な産地 | 熱帯アジア、インド、中国 |
主な成分 | ジンゲロール (gingerol) |
効 能 | 含有される精油成分には反射的に胃液分泌を増加させたり、胃腸の蠕動を強めてガスを排泄される効果が知られています。また胃腸機能を調整して嘔吐を止める作用もあります。そのほかに解熱作用、抗痙攣作用、鎮咳作用、鎮痙作用、抗炎症作用、強心作用が認められています。 |
ショウキョウ(「生姜」)の「姜」は「強い」を意味する「薑」の俗字で、辛味の強いことを表しています。基原植物のショウガにはジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンという3つの辛味成分が含まれています。それぞれの成分には異なるはたらきがあり、よく知られている身体を温める作用はショウガオールの作用です。ショウガオールはジンゲロールから生成されますが、乾燥や加熱によりその生成量が増えるため、冷え対策には加熱調理したショウガがお勧めです。
基原植物 | ・ホソバオケラ Atractylodes lancea De Candolle又はシナオケラAtractylodes chinensis Koidzumi ・キク科 ・山野、雑木林などに自生する多年草 |
薬用部位 | 根茎、地下茎 |
主な産地 | 日本、中国、朝鮮 |
主な成分 | アトラクチロジン (atractylodin) |
効 能 | 芳香性健胃薬として胃アトニ-・慢性胃腸病・消化不良・腹痛。下痢止めなどに利用されます。また、含有成分のアトラクチロンが嗅覚を刺激し反射的に胃液の分泌を盛んにします。漢方では、水分代謝異常を改善するのに用いられます。 |
ホソバオケラの根塊を用いるソウジュツ(「蒼朮」)とよく似た生薬に、オケラ(又はオオバナオケラ)の根塊を用いるビャクジュツ(「白朮」)があります。どちらも水分代謝を改善し、消化吸収の機能を高める作用がありますが、ソウジュツは発汗、ビャクジュツは止汗に用いられます。オケラは、屠蘇(とそ:年の初めに飲む薬用酒)の原料や、燻して衣服の防かびに使用されるなど、生活の中の様々な場面で活躍しています。
基原植物 | ・ナツメ Ziziphus jujuba Miller var. inermis Rehder ・クロウメモドキ科 ・初夏に淡黄色の小さい花を付ける落葉高木 |
薬用部位 | 果実 |
主な産地 | 中国、日本、朝鮮半島 |
主な成分 | ジジフスサポニン (zizyphus saponin) |
効 能 | 関節炎や腰痛の改善を目的に多数の漢方薬に配合されています。 |
基原植物のナツメの名は、夏になってから芽が出る(夏芽)ことを表しています。抹茶を入れておく茶道具にも棗(なつめ)と呼ばれるものがあり、ナツメの果実の形に似ていることから名づけられました。ナツメの葉にはジジフィンという甘味センサーをブロックする物質が含まれていて、ナツメを噛んだ後に糖類を舐めても甘く感じません。
基原植物 | ・チョウジ Syzygium aromaticum Merrill et Perry ・フトモモ科 ・モルッカ諸島原産の常緑小高木 |
薬用部位 | つぼみ |
主な産地 | マダガスカル、タンザニアなど |
主な成分 | オイゲノール (eugenol) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、ガスの排出を促進する作用があります。他に殺菌防腐作用や歯科で虫歯の局所麻酔、鎮痛鎮痙作用としても用いることがあります。 |
チョウジ(「丁子」)とは釘(くぎ)の意味で、つぼみが釘の形に似ていることに由来した名前です。香辛料としては「クローブ」の名前で知られ、カレーや肉料理、ソースやケチャップなどに使用されています。バニラ風の爽やかな香りと味がありながら、しびれるような刺激も併せ持つスパイスです。
基原植物 | ・ウンシュウミカン Citrus unshiu Markovich 又は Citrus reticulata Blanco ・ミカン科 ・暖地に広く栽培されている常緑の低木 又は小高木。 |
薬用部位 | 成熟した果皮 |
主な産地 | 日本(山口、愛媛、静岡、和歌山など)。 中国(広州、温州) |
主な成分 | ヘスペリジン (hesperidin) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを整え、胃もたれ、食欲不振を改善します。他に咳を止め、痰を切る作用もあります。 |
普段捨てられてしまうことの多いミカンの皮ですが、重要な生薬として古くから使われています。健胃・整腸作用以外にも、かぜ予防や冷え症対策、美肌美白効果など様々な効果が期待できます。七味唐辛子の一味としても利用されています。自宅でミカンの皮を乾燥させることで代用品が作れるので、食べ終わったミカンの皮を活用してみてはいかがでしょうか。
基原植物 | ・ニガキ Picrasma quassioides Bennet ・ニガキ科 ・日本全国に広く自生する高さ8~15メートルの 雌雄異株の落葉性の小高木 |
薬用部位 | 木部 |
主な産地 | アジアの温暖地帯(日本も含む) |
主な成分 | ニガキノン (nigakinone),クアッシン (quassin) |
効 能 | 苦味成分が胃の働きを正常にし、胃炎、消化不良を改善します。 |
薬用部分である木部だけでなく、葉や樹皮など全てが非常に苦いことから、そのままニガキ(「苦木」)と名付けられました。かつてはニガキを煎じたものが家畜や農作物などの殺虫剤として使用されていました。現在では化学合成農薬が主流とはなっていますが、天然素材であるニガキを利用した農薬は、昨今再び注目を集めています。
基原植物 | ・ニクズク(ナツメグ) Myristica fragrans Houttuyn ・ニクズク科 ・モルッカ諸島原産の雌雄異株の常緑高木 |
薬用部位 | 子仁(種皮を除いた種子) |
主な産地 | 主にインドネシアのモルッカ諸島など |
主な成分 | ミリスチシン (myristicin) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にし、食欲不振、腹部膨満感を解消します。 |
スパイスのナツメグとして広く知られ、ペッパー、シナモン、クローブと並び世界4大スパイスの1つといわれています。挽き肉料理との相性が非常によく、ハンバーグには欠かせない香辛料です。ニクズクの樹は非常に寿命が長く、100年たってもまだ実が収穫できることもあります。
基原植物 | ・ハッカ(ペパーミント) Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud ・シソ科 ・中国東北部や内モンゴルに自生や栽培 されている多年生草本 |
薬用部位 | 全草 |
主な産地 | ブラジル、中国、日本(北海道、岡山、広島) |
主な成分 | メントール (menthol) |
効 能 | 特異な芳香により胃腸の機能を高めるほか、リラックス効果や、殺菌・消毒作用があります。 |
ミントの名前の由来は、神話に登場する美しい少女Minthes(ミンタ)に由来しています。ミンタは冥界の王ハデス(ローマ神話ではプルート)と言葉を交わしただけで、ハデスの妻ペルセポネに嫉妬され、ミントの草に変えられてしまいました。それでも美少女は清々しい香りを放ち、人々の心を清めたと言われています。ハーブティーや料理だけでなく、チューイングガムなどの菓子、歯磨き粉、湿布薬など様々な場面で活躍する代表的なハーブです。
基原植物 | ・マツホド Wolfiporia cocos Ryvarden et Gilbertson(Poria cocos Wolf) ・サルノコシカケ科 ・中国南部に野生する、マツ科の3~5年経過 した切株の地下15~30cmの根に付着して形成 される菌類 |
薬用部位 | 菌核の外層を除いたもの |
主な産地 | 中国、日本など |
主な成分 | エブリコ酸 (eburicoic acid) |
効 能 | 気持ちを落ち着かせる作用があります。他に利尿作用、鎮痛作用があります。 |
ブクリョウ(「茯苓」)とは「茯霊」のことで、マツの神霊の気が伏結して生じたことから名づけられました。「茯霊」が「茯苓」となったのは転写する際の誤りとのことです。茯苓の菌核は土中にあるため、秋から冬にかけて「茯苓突き」と呼ばれる長さ90センチ程の鉄製の道具を使って、マツの根元に突き刺して見つけます。しかし、地上から全く見えない茯苓を探し出すのはプロでも非常に困難です。
基原植物 | ・ホップ Humulus lupulus Linné ・クワ科 ・多年生のつる性草本で、茎の生長は早く、 高さ8mにおよぶ。山地の低木林、又は林際に 生える。 |
薬用部位 | 未熟の緑色の果穂 |
主な産地 | アジア、西ヨーロッパ、日本(北海道、岩手、山形、福島、長野、山梨) |
主な成分 | フムロン (humulone) |
効 能 | 消化促進作用や、疲労緩和、鎮静・利尿作用があります。 |
ビールの原料として広く知られているホップは、ビールに苦味と芳香を与える他、余分なたんぱく質を沈殿させ清澄にしたり、雑菌の繁殖を防止する役割もあります。また、鎮静作用に優れており、ホップの花にアルコールを吹きかけ枕に入れた「ハーブピロー」は、不眠の解消に効果的です。
基原植物 | ・マガキ Ostrea gigas Thunberg ・イタボガキ科 ・食用として広く養殖されている貝 |
薬用部位 | 貝殻 |
主な産地 | 日本沿岸など |
主な成分 | 炭酸カルシウム (calcium carbonate) |
効 能 | 制酸作用があります。他に、胸郭部の動悸、精神不安、不眠、寝汗などに応用します。 |
カキは「海のミルク」とも呼ばれるほど栄養に富んでおり、世界中の多くの地域で古くから食べられてきました。欧米では古代ローマ時代から生食が行われていましたが、日本での生食の歴史は浅く、欧米から生食文化が輸入された珍しい食材です。最も良く食べられている「真ガキ」など冬の味覚として有名なカキですが、「岩ガキ」といった夏が旬のカキもあり、一年中カキを楽しむことができます。
基原植物 | ・モッコウ Saussurea lappa Clarke ・キク科 ・茎の高さは2mに達する。茎頂に暗紫色、 アザミ様の花をつける。高山あるいは気候が 涼しくさわやかな平地や丘陵地に生える 多年草。 |
薬用部位 | 根又は根茎 |
主な産地 | インドカシミール地方、ミャンマー、中国雲南省 |
主な成分 | アプロタキセン (aplotaxene) |
効 能 | 芳香性健胃薬として嘔吐、下痢など胃腸炎に効果があります。また、他に抗菌作用なども認められています。 |
根には甘い香りがあるため、薬用以外ではお香の薫香料とされることもあります。野生のモッコウは絶滅のおそれがあるため、現在はワシントン条約により保護されています。ガーデニングなどでも親しまれている「モッコウバラ」は、一説では生薬のモッコウに香りが似ていることから名づけられたとも言われています。
基原植物 | ・リョウキョウ Alpinia officinarum Hance ・ショウガ科 ・中国南部に野生する多年生草本 |
薬用部位 | 根茎 |
主な産地 | 南中国、タイ、インド |
主な成分 | シネオール (cineole) |
効 能 | 芳香性の成分が胃の働きを正常にします。 |
リョウキョウは英名をガランガル、日本ではタイ生姜や南姜、タイではカー(kha)と呼ばれています。日本の生姜と違い、独特の強い辛みと香りが特徴です。東南アジアのエスニック料理によく使用されます。代表的なタイの料理であるトムヤンクンやタイカレーの必須材料としても有名です。